私たちの稔り

 私たちが焼酎造りに使う主な素材は、麦・米・芋・水。どれもこだわり抜いた稔りです。
 「ミヤザキハダカ」は宮崎在来種の裸麦で、品種改良がなされていない希少種です。戦前、宮崎県内で一般的に栽培されていた在来種ですが、昭和の終わりとともに絶滅に近い状態で、平成19年からこの幻の麦を復活させるべく当社と協力農家の皆さんで奮闘して育てた思い入れの強い裸麦です。  米は「み系358」という品種で、宮崎で契約栽培される「池内米」を使用します。現在宮崎県内でのみ作付けが許される新品種で、山田錦に近く粘り気が少ないのが特徴です。
 芋は、「黄金千貫(こがねせんがん)」を使います。この芋は醸造用品種で、でんぷん含有量が多く、ホクホクした食感です。一般的な食用芋に比べると甘みが強く、コクがあるのが特徴です。
 上質な焼酎には、大量の上質な水が必要です。私たちの蔵の中央には、代々受け継がれた井戸があり、当社の敷地内でもっとも大切な場所です。この井戸は、地下100メートルから150メートルの岩盤をくり抜いて作られており、清らかな地下水を汲み上げて焼酎を造ります。
 焼酎は、素材の変化と仕込み方法によって味と香りのバラエティが無限大に広がる「いきもの」のような飲み物です。私たちはその一つ一つの素材にこだわって、素材の誠実さを感じていただける焼酎を丁寧に造っています。